お金の制度

【介護とお金】介護を始める前に確認すべきNG行為5つ!優良介護施設の見極め方等についても紹介

介護疲れなる言葉が流行ってしまう程、介護にはストレス・疲労がつきものです。無理な介護は親と自分だけでなく、夫婦間、兄弟間でもトラブルとなることが多々あります。

お互いのストレスを可能な限り減らすことで円滑な介護生活を送ることができるため、介護においてやってはいけない5つの行動をまとめました。該当する行為はないか確認しながら読んでみてください。

介護を始める前に必読!NG行為5つ

早速ではありますが、介護を検討する前に知っておきたい知識・やってはいけない5つの行動をまとめておきました。

  • 親の介護を奥さんに頼ろうとしている
  • 親の収支を把握していない
  • 親が倒れてから焦って老人ホームを探す
  • 要介護認定は高い方が得。。。とは限らない
  • 介護のことを会社に黙ってても問題ないと思ってる

それぞれの課題と解決策について細かく見ていきます。

親の介護を奥さんに頼ろうとしている

親の介護は一昔前は旦那の奥さんがやるのが当たり前でした。ですが、今は時代が違います。核家族の世帯が増え、親とは別居。帰省した時程度の付き合いだった今までの関係から、親の体調変化を機に一転して介護生活。

血のつがなっていない息子の奥さんがやるのはとても大変ですし、苦痛です。絶対に長続きしません。

長年同居していた間柄だとしても必ずストレスが溜まります。自分のシモの世話をしてほしいと思う親などいませんし、介護する側も嫌です。互いに気が滅入ってしまいます。

親の介護を奥さんに頼るのは夫婦間の関係を悪化しかねませんので、解決策としては「介護はお金を払ってプロに頼む」が正解となります。

全てを任せる必要はありませんが、嫌だと思っているどこか一部だけでもプロに任せることで負担がかなり減ります。

親の収支を把握していない

親の懐事情を知らずに介護を続けることも良くありません。親の介護は親のお金で介護することを基本と考えましょう。自分たち家族を養うお金にまで手を出してしまうと、自分たちの生活が苦しくなってしまいます。

【把握しておくべき親の収支】

  • 貯金残高
  • 月々の年金額
  • 株、不動産等の資産
  • ローンや借金等の負債
  • 医療保険、生命保険

繰り返しとなりますが、親の収支で介護して、自分たちの分は自分達の収支で生活してくのが基本です。

そもそも介護費用はいくらかかるか?

平均月額は8万円かかると言われています。

在宅介護の場合、介護のための在宅修繕として一時的に80万円、介護保険を利用すれば、このうち自己負担は原則1~3割を支払うことになります。

毎月の介護利用料は平均8万円。介護期間は平均約5年ですので、

8万円×5年間(60か月)+修繕費の1割=500万円以上かかることになります。

上記の月額8万円は平均値であって、在宅なら平均5万円(中央値としては1~2,5万円が高く25%程)と抑えることも可能です。

施設入居の場合は家賃込みで平均12万円と高額ではありますが、要介護度でも異なってくるため、平均ではなくうちならいくらかを検討することが必要です。

データ:生命保険文化センターh27年度より

安い施設と高い施設の違いは?優良施設の探し方

費用が高い=高サービスとは限りませんが、この方程式が成り立つことが多いです。民間運営の場合は、入居一時金で100万円~数千万、月々も10万~40万以上とばらつきがあります。

安い費用でより良い施設に、高い費用でも間違いのない施設を確認するための5つのポイントがあります。

【優良施設の確認ポイント】

  1. 昼食の時間帯を観察しに行く
  2. すぐ入居できる施設は疑う
  3. 職員の離職率を聞く
  4. 月額料金は総額を聞く
  5. 看取りの実績と指針を聞く

①の昼食を観察するのは、一番忙しいお昼時に行って、その施設の対応を見るためです。一番忙しい時間帯こそ施設の丁寧さ、熱心さに差が出やすく評価がしやすくなります。

②のすぐ入居できる施設というのは、人気が無く退去者が多い場合や、受け入れるだけ受け入れて粗雑な介護をしている可能性があります。よほど立地がわるい等の理由が無い限り、二つ返事で受け入れる施設は疑いましょう。被介護者の状態や家族の状況等、細かく聞いてくれる施設は優良施設の可能性があります。

③は聞きづらい情報ではあるため、調べてわかったら程度で良いです。離職率が高ければ体制が整っていない、経験の浅いスタッフが多い等デメリットが多いです。

④は細かなオプションや別料金設定をしている施設もあり、総額いくらで受け入れてもらえるのか、ホームページと施設の話を比較しながら慎重に確認しましょう。

⑤民間の施設では要介護度が高い人ばかりの施設もあれば、自立度が高い人向けのレクリエーションが多い施設もあります。寝たきりとなってしまった場合は退去させられる施設なんかも多いです。

施設によって特徴が異なるため、看取りの実績を確認し、最後まで面倒を見てくれるかはよく確認をしてください。

親が倒れてから焦って老人ホームを探す

親が倒れてから老人ホームを探すのはよくありません。焦って施設を探すと、優良施設探しを満足にできずに決めてしまうことがよくあります。

まずは地域包括支援センターに相談しましょう。地域名+地域包括支援センターで検索すればすぐに出てきます。その後、優良施設の探し方を実践してください。

地域包括支援センターに伝えるべきこと

地域包括支援センターには以下を伝えましょう。

  • 親の生活で困っていることや不安なこと
  • 健康状態
  • 同居の有無
  • 近隣の有無 近くに家族が住んでるか?

要介護認定は高い方が得。。。とは限らない

要介護度が高い方が支給限度額は高くなります。ですが、その分施設利用料や医療費が高くつくものがあり、必ずしも得するわけではありません。要介護認定調査で少しオーバーに言ったりせず、適切な要介護認定を受け入れることが必要です。

要介護度別の支給限度額

要支援1 5万30円
要支援2 10万4730円
要介護1 16万6,920円
要介護2 19万6,160円
要介護3 26万9,310円
要介護4 30万8,060円
要介護5 36万650円

※支給限度額を超えた場合は、超えた分が全額自己負担となります。

正しく要介護認定をもらう方法

要介護認定の申請をすると市区町村から調査員が自宅訪問し、74項目の聞き取り調査が行われます。

聞き取り調査の場面に親だけで対応すると正確に伝えられないこともあるため、訪問調査の日程調整を親まかせにせず、調査当日は家族が同席することをおすすめします。

調査当日には本人の前であれもできない、これもできないと言ってしまっては親の尊厳を傷つけてしまうため、日々のできなくなっていることをメモにして普段の親の状態のメモを調査員に渡すのが良いです。

メモには薬の飲み忘れや虚言、機械操作、家事等、様々な状況をメモしておきましょう。

介護のことを会社に黙ってても問題ないと思ってる

介護のことを会社に黙っているのも良くありません。規則違反をしているわけではないのですが、自分にとって不利な状況が多くなります。

まずは上司・人事に相談して介護休暇や休業を使うことを積極的に考えましょう。プライベートなことは黙っておきたいと抱え込み介護離職する人も増えています。介護離職で転職した人の給料は4~5割減になるというデータもあるため、溜めこみ過ぎず無理をしないことが大事です。

ちなみに、介護離職によって下がる年収の平均は以下です。

男性:550万円→340万円

女性:350万円→175万円

年収が下がってしまっては家計にダイレクトに響きます。自治体や会社の制度を上手く利用して仕事を辞めない努力をしましょう!

遠距離介護

仕事を辞めないために、同居は考えるべきでしょうか?

一概には言えませんが無理して同居する必要はないと考えます。親も親しみ慣れたスーパーやご近所から離れたくないはずですし、長年住んだ家の勝手が変わってしまうのもストレスの一因となります。

自治体のサービスも充実し始めておりますし、生活援助サービスを利用して、掃除洗濯などは外注してしまうことがおすすめです。

移動時間や交通費の負担は発生しますが、毎日の負担はないので外注化を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

介護を始める前にやってはいけない行動や介護にかかる費用、優良施設の見極め方についてまとめました。

やってはいけないNG行動をやっていたらすぐに見直し、出来る限り円滑な介護を行いましょう。

お互いのためにもストレスを溜めこまないよう工夫するのが継続して心地よい介護をするのに何よりも大事です。