【2章 実践編】節約

マイホームを購入する前に知ってほしい持ち家の隠れたリスクについて解説!

人生の大きな買い物であるマイホーム。購入すべきかどうか迷っていませんか。

”持ち家VS賃貸”どちらが正解かの論争は昔からよく繰り広げられてます。

どちらにもメリット・デメリットがあり、その人の環境や価値観で正解は変わってくるため、その人次第ではあるのですが、

マイホーム購入には世の中であまり知られていない隠れたリスクがあります。

私もマイホームを購入しておりますので、マイホーム否定派ではございませんが、様々なリスクを承知の上で購入するかしないか決めることがとても大切です。

リスクを知ることで予防策を立てた上での購入ができ、失敗や後悔が少なくなりますので、ぜひ最後までご覧ください。

マイホームのリスク

マイホームは正直、たくさんのリスクがあります。考えられるリスクは以下の通りです。

それぞれ解説していきます。

中途半端な物件の資産価値が下がり続ける

これは少し有名な話ですが、今後の日本というのは人口が減るから資産価値の上昇は見込めないという話です。

人が増えれば住宅は当然必要になるし、人が減れば需要は減るという単純なことです。今後の日本というのは当然人口が減っていき、働く人も減って人口ボーナス期が終わっています。

地方は過疎化して生き残るのは真ん中一等地っていうだけの可能性が高いです。

もちろん外国人を受け入れるとかいろんな可能性があるんですけど、基本的には過去のデータから未来を読んでいくとそういうことになる可能性が高いってことです。で、現に地価の値段っていうのはずっと伸び悩んでるんですよね。

ローン返済が終わっても維持費はかかり続ける

不動産屋に結構いるんです、ローン返済が終わったらタダで住めますという方が。

魔法のフレーズですね。

実際には固定資産税であったり修繕費であったり、マンションの場合は管理費や修繕積立費がありますね。

月ベースに直すとだいたい月2万円から5万円ぐらいのコストがかかります。

固定資産税もそうだし修繕費とかもたまに大きいのが出るんです。10年とか20年とか経ってくるとどうしても補填が必要になります。

風呂とか外壁とか大きいところは何年かに1回やらないといけないです。35年間何も直さずにいけるってことはないですから。

平均1200万ぐらい使うそうなんですけど、持ち家の場合は3000万で買ったような場合でも金利とか、修繕費とか、固定資産税とか税金も考えて5000万くらいはかかってしまいます。

賃貸だったら出してもらえる部分が大半ですので、やはりローン返済が終わったからと言って、住宅費ゼロで暮らすのは無理ということです。

会社から住宅手当が出なくなる

これは勤めている企業にもよりますが、会社から住宅手当が出なくなる場合があります。

単純に今の家賃と比較するだけでなく、住宅手当が出なくなった場合の収支シミュレーションを行った上で購入を決める必要があります。

返済できなくなるリスクがある

返済できなくなるリスクとは、例えば会社をクビになったとか、病気で長期間働けなくなって収入がなくなってしまったとか、離婚してしまい共働きでなんとかなっていたものが賄えなくなったとかです。

住宅ローンは年収の約8倍まで組めるというのが有名ですが、上限いっぱいで借りてしまうと、住宅ローンが払えずに自己破産する人ってのは毎年一定数いるのが現状です。

賃貸であれば家のスケールダウンがすぐにできますが、住宅ローンの場合はすぐに買い手がつくとも限りませんし、時間をかけられない場合、相場よりも低価格での売却となることが多いです。

変動金利のリスク

民間の金融機関の住宅ローン金利推移は、今は0.5%以下という金利があるくらい超低金利なんですが、30年前は金利8%ぐらいありました。

今後さらに下がることは考えづらいですが、上がるとなるとどこまで上がるか想定できません。

この変動金利のリスクというのは、自分でどうなるかわからないことが厄介です。今後、金利が高くなったことで、支払いがさらに苦しくなるというリスクがあるのは考慮すべき点だと思います。

災害リスク

万が一の災害による災害リスクです。地震とか火事とかいろいろあるんですが、これは地震保険の記事で詳しく解説致します。

欠陥住宅設備不良のリスク

手抜き工事とか耐震偽装とかの欠陥住宅です。最近では太陽光発電とかもトラブルが結構多発してると聞きます。大手の建築会社でも全然あり得る事例です。

素人目で見抜くのが難しいというのが、このリスクの厄介な点です。

簡単に引っ越しできないリスク

転勤であったり、近所トラブルであったり、家を引っ越したい事情があっても身動きとりづらくなるリスクがあります。

家族構成の変化に対応できないリスク

家族みんなで暮らせる期間って長いようで実は長くないんですよね。独立したりすると、家が広く感じてしまったり寂しくなります。売却しようとしても築何十年の家はなかなか売れません。

コスト面では持ち家と賃貸、どちらが得か?

上記のように、マイホーム購入は様々な見えないリスクを引き受けています。リスクを引き受け、リスクに備えるために様々な保険に加入していると、金銭的メリットはどんどん失われていきます。

そのため、お金の損得だけで話をするのであれば、50年近く買った家に住めてやっとマイホームの方に利がある程度。ローンの上限期間である35年で手放すようでは、上記のリスクも考えると賃貸の方がはるかに得です。

賃貸の場合は大家がほとんどのリスクを背負ってくれているのが大きなメリットです。

ですが、マイホームでもリスクを無視してお金をかけなければ、マイホーム購入の方が安くなる可能性もあります。

やはり何に重点を置きお金をかけるかで損得は変わってきますので、慎重に検討していきましょう。

以下に賃貸と持ち家の費用をシミュレーションした記事がありますのでご興味がある方はご確認ください。

持ち家と賃貸どちらが得か?費用をシミュレーション!メリット・デメリットも解説! ”持ち家VS賃貸”、定番ともいえるこのテーマに頭を悩ましている方も多いと思います。 どちらにもメリット・デメリットがあり、その人...

生涯賃貸だと、高齢になってからは借りられなくなるのか?

結論、ならないです。ただし場所は選びづらいかもしれません。

現在、空き家は急増中です。住宅ストック数6060万戸に対して総世帯5240万戸なので、すでに必要な住宅はもうあります。

居住者のいない住宅だけで850万戸以上あるんですよね。日本全体で見れば住宅が余ってるので、土地を選ばなければ中古住宅を安く購入する手段があります。

もしくは、全体で見れば余ってきてるんで今よりも良い条件で賃貸物件を借りられる可能性も高いです。

マイホームは資産となるのか?

「家は資産になるから買え」と、 団塊の世代が良く言うのですが、持ち家が資産になる可能性は低いんです。

昔は人口ボーナス期だったので、資産になったと思います。

昔と現在、未来では需要と供給のバランスが違うんです。

マイホームは資産になるから!と購入を考えている人は1度考え直したほうが良いと思います。

それでも冒頭でお伝えした通り、満足度の高い家に住みたくて、浪費だ!消費だ!と理解して購入するのであれば、全く問題ないと思います。

土地を子供に残してあげたいと思う人もいますが、賃貸で節約して現金を残してあげたほうが喜ぶのではないか、とかそういう考えもあると認識することが大事だと思います。

賃貸と持ち家では前提条件、つまり人によってその人が何を求めるかっていうことが大事です!

金銭的なメリットを求めるのか、心の満足感を求めるのか、自分の理想の生き方とかゴールに照らし合わせ、本人が満足したらそれでいいんです。

ただし、マイホーム購入は大きなリスクがあるっていうことをやっぱり認識しておきましょう。

ほとんどの人がそこでしんどくなるんです。みんな正しくやれば経済的にある程度豊かになるはずなんですけど、ここに引っかかってしまうんですよね。メリットだけ見てデメリットは一部しか見なかったり、家は世間の常識で・・・みたいな感じであまり考えずに購入してしまう人も多いので、リスクとメリット・デメリットはしっかり把握しておきましょう。

最適解

これらを踏まえた上で、私が考える最適解(理想)の話しをします。

”買った物件が、買った時の値段よりも高く売れ(もしくは同程度の額)、

かつ、家の広さや立地、価格(月々の支払額)、周辺環境等、ご自身が考える満足度の高い家であるなら買うべきと考えます”

後半部分は自身の満足度なのでコントロール可能なのですが、前半部分の買った時の値段が売却時に上がるかについては、正直予測が難しいです。

予測は難しいですが、過去のデータからどういう立地・物件が価格が上がるのか、下がりづらいのかという情報はあるため、それらを調べつくし購入するのは良いと思います。が、本当に良い物件というのはプロがすぐに押さえてしまいますし、本当に至難の業かと思います。

私は将来的に、駅が延伸して、現在住んでいる駅の利便性が高まると予測し、購入を決めました。

とはいえ、これはギャンブルに近いですので、もちろん間取りや周辺環境等、一生ここで過ごすとしても文句ない家を選ぶというのが根底にあって、購入を決めています。

家を購入するかどうかの決め方!あなたが住みたいと思う家の基準は?

コスト面での最適解を得るのは難しいという話しをしましたが、それではどういった基準で家の購入を検討するべきか話します。

そもそもなぜ家に住むのかっていうことなんですけど、そこをちょっと考えて頂きたいと思います。

”生きていくため”であれば、最低限の寝床と雨風が凌げる物件で良いでしょう。

ですが、現実的にはいろいろ難しいわけで、あの地区だったら会社まで遠かったり、壁が薄いのは困る等々、生きていくのに最低限の空間で本来はいいんですけど、やっぱりそういうわけにはいかないと思います。

いやいやそうは言ってもってなるわけで何で家に住みたいのかってなると、みんなで結局豊かに暮らすためではないでしょうか。

広い家とか駅近とか子供が遊べるとか、そういう様々な心の満足感が関わてくると思います。

なので家っていうのは自分にとって豊かであればいいわけですよね。

別にこれが1000人にとっては狭いなと思う家でも、その本人からすれば満足できる家ならいいわけです。

それが金銭の損得を取るのか、損してでも満足いく家を買うのか、所有欲を満たすのかとか、正直、賃貸でもマイホームでもその人の考え方によって正解になり得ます。

前提条件とゴールが決まらないと話をしても意味がないってことです。

不動産屋に聞けば不動産は買ってほしいから、今後東京は値上がりの可能性が高いですからお勧めですとか、返済が終われば毎月家賃を払わなくてよくなりますとか、耳ざわりの良いことを言ってきます。

離婚した夫婦に聞いたら間違いなく賃貸の方が良いと言うでしょう。

なんでみんな言うことが違うのかというのは、人によって前提条件(性格や価値観、環境)が違うからです。豊かに暮らすための基準が異なるのです。

この前提条件が違うということが大切で、まず自分がどんなふうに生きたいか、どんな暮らしがしたいのかってのを見つめ直してから購入を考えるべきだと思います。

こうした方が得だからとずっと我慢して過ごしても、何のために人生生きているのか、虚しくもなると思います。

よぼよぼのお爺ちゃん・お婆ちゃんになった時に超大金持ちになっても仕方がないのです。

結論

マイホーム購入には様々なリスクがあり、そのリスクの予防策を講じた場合、お金の損得では賃貸よりもマイホームが損すると思います。

ただ、住宅についてはお金の損得だけでは測れません。

お金を出してでも理想の家に住むことで、本業の仕事が頑張れたり、人生の幸福度が高まったりします。

繰り返しとなりますが、よぼよぼのお爺ちゃん・お婆ちゃんになった時に超大金持ちになっても仕方がないのです。

今回記事で紹介したリスクの予防策を検討しつつ、心の満足度とのバランスを考え、マイホーム購入を検討されることをおすすめします。