【2章 実践編】節約

住宅ローンの繰り上げ返済は損!?繰上返済すべきなのか具体例で徹底解説!

住宅ローンの繰り上げ返済をすべきかどうか迷っていませんか?

マイホームをローンを組んで購入し、しばらく経ち、まとまったお金が手元にあるがどうすべきかと。

本記事では、住宅ローンの繰り上げ返済はすべきなのかについて解説しています。

この記事を読むことで、金利に対する考え方や賢いお金の使い方について学ぶことができますので最後までご覧ください。

住宅ローンの繰り上げ返済はおすすめしない

結論から申し上げますと、住宅ローンの繰り上げ返済はおすすめしません。

なぜなら金利が低いからです。

最終的なトータルで見ると、繰り上げ返済をしても減る金額はたかがしれているんです。それに期間短縮返済の場合ですが、メリットを受けられるのが住宅ローンが終わってからになるんですよね(期間短縮返済については後述します)。

それから手持ちの現金が減ってしまうこと、ここが結構つらいです。まとまった額のキャッシュというのは、緊急時に使えたり、投資に使うとリターン額が大きくなるので、使い道を考える必要があります。

また住宅ローン減税のメリットが減る場合もあるので、おすすめしません。

そもそも繰上げ返済とは?

繰り上げ返済ってなんぞやという方のために念のため。

毎月の返済とは別に、借入額の一部とか全額を返済することですね。2000万円借りてるうちの、100万とか200万とか、一部を返済するか全額を期限より先に返しちゃうってことです。

繰上げ返済期間短縮型と返済額軽減型

繰上げ返済ですが、2種類あります。

繰上げ返済期間短縮型と返済額軽減型というもので、

期間短縮型は名前の通り返済期間が短くなるんです。

返済額軽減型は月々の返済額が減るということなんですね。

あんまり難しく考えなくてもよくて、返済期間を短くするか毎月の支払う金額を低くするかです。それだけ覚えといてもらったら基本は大丈夫です。

繰り上げ返済のデメリット

実際になぜ繰り上げ返済をおすすめしないかってことについてなんですけど、その1番の理由が、繰り上げ返済をしても得する金額ってしれてるんですよね。

期間短縮型の場合、すぐ楽にはならない

期間短縮返済型と返済額軽減型の違いを紹介します。軽減額をシミュレーションしてみました。

3000万円を例えば35年で金利1%ローンで借りてるとするとして、10年後に500万円繰上返済したらいくら得するかってことなんですけど、ピンとくる人いますでしょうか。

結果としては、500万円ぐらい繰り上げ返済したとしても最終的には100万円ぐらい、総額120万程度しか安くならないんですよ(期間短縮返済型の場合)。

500万円を繰り上げ返済したんだったら、もっと総額が減るんじゃないかっていう気になると思うんですね。感覚的には。

理由はなぜかっていうと、低金利だからですよね。で、繰上げ返済っていうのは何が得するかっていうと、繰り上げ返済で得するのは早く返した分、今回は500万円早く返した分の、そこに対する金利分のみなんです。

500万円早く返すからこの分に対して金利がかからなくなるっていうそういうことですね。

住宅ローンっていうのは低金利なんですよね。だから、繰り上げ返済をしてもあんまり支払う総額は変わらないと。

元々金利が安いんで元本以外に払ってる金額っていうのはもちろん金額が大きいし期間が長いんである程度の金額にはなってるんですけど、それでもやっぱり低金利だとあまりメリットはありません。

他にも期間短縮型の繰り上げ返済をした場合は、すぐには楽にならないんですよね。毎月の支払額は変わらないんですよ。

期間短縮型の場合、メリットを受けるのが全部の返済が終わってからなんです。だから先ほどの事例でいくと。500万円返した場合、25年払うのが18年に短縮されるんです。

では、返済額軽減型の返し方にすればいいんじゃないかって思うんですが、確かに月々の支払いはそっちだったら安くなるんですよ。

ただ、返済額軽減型にした場合、総返済額が60万円ぐらいの節約にしかなってないです。

期間短縮型の返済方式の場合だったら、毎月の返済金額は変わらないんだけど期間が短くなってましたよね。で、総返済額も120万円ぐらい安くなった。

でも、こっちの返済額軽減型にすると、この総返済額のところがあんまり得しないんですよ。要は支払う利息があんまり減らないんですよね。そこのメリットが少ないと。それから繰り上げ返済をすると手元の現金がなくなるんでもったいなく感じてしまいます。

手元に現金がなくなる

突然ですが、ここで質問です。破産する時はどんな時でしょうか。

借金を抱えて破産するのってどんなときのイメージがありますかね。例えば、借金を抱えたときとか、浪費をしたときとか、カードローンをたくさん抱えてるときとかいろいろあると思うんですけど、正解は、手元に現金が足りなくなったときなんですよ。

支払いする現金が手元に足りなくなったときに破産するんです。会社でもそうですよね。回らなくなるってことですよね。

手元にキャッシュがあれば借りてきたお金であろうが手元にキャッシュがあれば、何かあっても対応はとりあえずできるんですよね。とりあえずは潰れないで、会社経営でも家計でも同じなんですけどある程度のキャッシュの厚みっていうのはすごく大事なんです。個人なら生活防衛資金の確保は最優先だと。

住宅ローンの残りが2000万なんですよね。手元に500万円の現金があったとするとちょっと生活防衛資金話として手元に500万円の現金のみ持ってたんですよ。それと、

そうしたら、繰り上げ返済した場合、住宅ローンの残りが1500万になるわけですよね。手元の現金はゼロになると、繰上返済をしなかった場合っていうのは、住宅ローンの残りは2000万円のままで、手元の現金は500万円あると、どっちが危険だと思います。

繰り上げ返済した場合としなかった場合と、手元に現金がない場合の方がね、危険なんですよね。もしも何か生活で困ることがあるとか仕事をクビになるとか減給になるとかいろいろあると思うんですけど突然お金が必要になった場合とかいうときにこの手元の現金がゼロだったら何かあったときに対応できないんですよね。結局金利の高いところから借りないといけなくなってしまうとか。

それじゃ元も子もないということですよね。ただし、これは金利が低いからこそ言ってる話で、住宅ローンの場合ね、金利が高いんだったら話は別だと。

住宅ローン減税のメリットが薄れる

それからもう一つ、住宅ローン減税について。繰り上げ返済のデメリットとして、減税期間が終わる前に繰り上げ返済してしまうと、旨味がなくなります。

借入金額の1%が、住民税とかから還元される仕組みなんですよね。だから、あまり早く繰り上げ返済しちゃうとその分借りてる金額が小さくなるんで、この住宅ローン減税のメリットも減ってしまうってことです。

金利によって繰り上げ返済するか決めるのが大事

ここが結論の理由になってくるのですが、金利によって繰り上げ返済した方がいいかどうかは変わるんですよね。代表的なローンでいうと、自動車ローンとかデンタルローン(歯の矯正するときとか結構お金かかるんで足りないっていうときに使う)はだいたい5%前後ぐらいなんですよね。

カードローンだったら、10%から15%ぐらい、消費者金融も10%から18%ぐらいです。

闇金っていうのはどのぐらいの金利かっていうと、40%くらいです。当然この闇金っていうのは、違法ですが。

もしも今住宅ローンで金利が1%なんでいいんですけど、もしもこの金利が5%とか10%に上がったのなら、元本を早く返さないと利息がどんどん膨らんじゃうわけですよね。

だけど住宅ローンとか奨学金っていうのは、低金利なんですよね。1%以下がほとんどですよね。なんで、この金利の相場感を身につけておくっていうのも大切ですね。どういう金利だったら、早く返した方が良くてどういう金利だったらそんなに変え急いで返さなくていいのかってことですね。

投資をする場合も考え方は同じ

投資をする場合も一緒で相場感を身につけておくってすごく大事なんですよ。

毎月5万円で30年間積み立て投資したとしましょう。仮にね、30年間で1800万円積み立てるわけなんですけど、5万円ずつ毎月積立投資をしていって、金利が1%の場合だったら2098万円になっているんですよね。要は298万円増えると。

毎年5%で運用していたとすると、4161万円になってて2361万円増えるんですよ。

年利10%でもしもこの30年間運用した場合、もともと元本で積み立ててるのは1800万円なのに1億1300万円になるんですね。要は9500万円ぐらい増えると。

投資の神様ウォーレンバフェットがよく出てきますけど、この人の平均利回りはどのぐらいかっていうと、22%とかなんです。ゆえに投資の神様と。

5万円積み立てていって年利10%でね30年間で1億円になるのに、22%の平均利回りでね、お金を毎年運用していたらもう一体いくらになるかってね。だから、もう世界一のお金持ちなんですよね。

で何が言いたいかっていうとこの金利っていうのはものすごく大事だよってことですね。投資をしたら、これだけ増えるわけですね。

金利10%とか5%でも結構増えるんですけど10%とかでも投資をしたらこれだけ増えるわけですよね。ということは借金の場合、これと逆のことが起きるということですね。だから、金利が高いものは早く返した方がいいし、金利が低いものっていうのは、そんなに慌てて返さなくてもいいとい理屈です。

返さなくてもいいは語弊がありますね、返したとしてもそんなにメリットはないってことです。

手元にまとまったお金があるのであれば、投資で増やした方が得をする

仮に銀行から借りた100万円が手元にあったとしましょう。例ですけどね。金利は1%だったとしましょう。だから100万円借りてて、金利が1%だったとすると、毎年1万円利息を支払うわけですよね。

この100万円を今すぐに全額返してしまうか、100万円で年利3%の投資をするかどっちが得かっていう話です。

100万円を全額返してしまうと、金利っていうのは当然支払わなくてよくなりますよね。毎年1万円の利息を払ってたのが、金利を支払わなくてよくなりますよね。借金がなくなるんでね、

でも何も残らないと。じゃあ、この100万円を借りたまま年利3%の投資をしたとすると、支払う金利は1万円支払うわけなんですけど、投資から入るお金は3万円。

3万円入ってきて、支払う金利は1万円なんで、差し引き2万円毎年お得っていうね、これだったら返さない方が得ってことになりますよね。利息をずっと払っておく方が得っていうね。

今回も同じ考え方なんですが、考え方としては根本のところは一緒と、不動産投資とかでも同じ考えなんですけど、金利2%で借りた1億円でね。

利回り10%の不動産を買うっていうことですよね。そうすると1億円の8%が毎年儲かるってことなんですよね。人から借りたお金で、ここの利ざやを取っていくっていうのが、不動産投資ですね。実際もっと複雑なんですけど。

この金利差のことを、イールドギャップっていったりします。よく出てくる言葉の一つだと思うんで覚えておいても損はないかなと。この辺はちょっと大切な考え方なんでね、覚えておいてほしいかな。

まとめ

私自身は住宅ローンの繰上げ返済はおすすめしませんと、金利が低いからですよね。今は。

住宅ローンであったとしても金利がすごく高いんだったら早く返した方がいいですよ。だから金利によって正解が変わるってことですね。ただしばらくは低金利が続くと思いますので、上記の結論です。

金利が高いんだったら早く返すと、金利が低いんだったら借りておいてもいいかなって。この金利っていうのはすごく大切ですね。

住宅ローンの繰上げ返済のデメリットとしては、得する金額はすごく少ないよと。それから期間短縮型だったら毎月の支払いは楽にならないということですね。この返済額軽減型だったら、支払総額のメリットがさらに少なくなっちゃうと、毎月の支払いは楽になるんだけど、結局支払総額のメリットが減っちゃうんであんまり返す意味がなくなっちゃうというか。

さらに、手元に現金がなくなるし、投資機会を逃しちゃうってことですね。

なんで私自身だったら手元にキャッシュを残しておきますね。その分最低限のキャッシュを残しておいて、他は投資に回しますね。

その方が効率がいいから。とはいえ、どうしても借金があるっていうのがストレスになっちゃう人、数字で考えたらそうなんだけどどうしても借金があることがストレスなんだっていう人とかもやっぱりいるんですよね。

そういう人は返してしまうっていうのももちろん選択肢の一つではありますよ。正しい数字で考えるとメリットは非常に少ないかなと思いますね。

これは住宅ローンだけじゃなくても投資とかお金を借りたりとか時間の使い方とか他のことにも通じる考え方なんで、色々なところに応用して考えてほしいです。