債券ETFについてこんなことで悩んでいませんか。
- 暴落時にも安定したポートフォリオを組みたいが債券ETFってどうなの?
- 債券ETFにAGGというものがあるらしいが、何がいいの?
- 今やってる投資は正解なのか不安
- 難しそう、面倒くさそう。初心者でも簡単にできるのか?
本記事を読むことで、このようなお悩みを解決します。
具体的には以下が分かりますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 債券をポートフォリオに組み込むメリット
- AGGのメリット・デメリット
- AGGへの投資が向いている人
- AGG投資の始め方
Contents
結論:ポートフォリオにAGGを加えると安定する
早速本記事の結論からとなりますが、米国債券ETFであるAGGをポートフォリオに加えることをおすすめしています。
私も実際にポートフォリオに組み込んでおり、以下のような配分で組み込んでいます。
【私のETFポートフォリオ】
- 全世界株式(VT):40%
- 高配当ETF(VYM):25%
- 債券(AGG、LQD):30%
- 不動産(IYR):5%
AGGの魅力というのは、なかなか倒産することがない優良な債権を保有して、年間2.5~3%ぐらいの債券利息をもらい続けるというそういうETFです。
価格推移は安定していて、配当金はしっかりもらえる。
株だけでは不安な局面も債券を保有していればリスク分散ができますし、高配当投資でセミリタイアを狙っている人には持ってこいの銘柄かと思います。
そんなAGGについて深堀して紹介していきます。
そもそも債券とは?なんで株とバランスよく持つといいの?
そもそも債券とは何でしょうか。なぜ株とバランスよく持つことが世の中では推奨されているのでしょうか。
この点について整理しておくことで、AGGの概要もすぐに理解できるようになると思います。
詳細については下記記事にまとめていますので、債券の内容や株式との保有割合などを知りたい方はご確認ください。
ここでは簡単に基礎と概要だけ紹介させていただきます。
【債券とは】
債券というのは債券を発行する発行体(国や会社)がいて、発行体が投資家に借用書として債券を買ってもらう形で金銭の授受が行われることで、発行体の運営資金としています。
発行体はその運営資金を使って稼いだお金を投資家に利息込みで返金していくことで、組織運営を維持しています。
債券と株の関係
債券の購入を検討する際は株式との関係を知っておく必要があります。押さえておくべきポイントとしては以下です。
- 株価が上がる→景気が良くなり金持ちが増える→金利が上がる→お金を借りたくない→債券(AGG)の価格は下がる
- 株価が下がる→景気が悪くなりお金の流通が減る→金利を下げます→お得なうちにお金を借りて事業を大きくしたい→債券(AGG)の価格は上がる
債券と株はシーソーのような関係(逆相関関係)になっているため、不況時にも好景気時にも株と債券をバランスよく持つことで、バランスのとれた資産運用ができるようになります。
基礎中の基礎ではありますが、まずはこれだけ覚えてもらえたら債券はOKです。
AGGの基本情報
続いて、債券の詰め合わせパックであるAGGの基本情報について解説します。
正式名称はiシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETFという非常に長い名前です。
世界最大の資産運用会社ブラックロックが運用しているファンドで運用総額が8兆円以上もある超大規模ファンドです。
主な特徴は、約8,000近くの債券に分散されていること、ETF純資産が多く経費率が0.05%とかなり低く抑えられていること、分配金が毎月振り込まれることです。
【そもそもETFとは?】
色々な株式を詰め合わせたパックのことを投資信託と言い、その投資信託が上場したものをETFと言います。
ETFは個人でも個別株と同じように株式市場で購入することができますが、投資信託は株式市場で購入することができず銀行や証券会社経由で購入します。
AGGはアメリカの債券ETFとしては非常に有名で、以下のようなメリットがあります。
AGGのメリット
AGGのメリットは以下です。
- 格付けAAAが7割以上で構成されている
- 利息(分配金)の効果が大きい
- 安定感が抜群である(暴落しにくい)
- これだけ分散投資してるのに経費率は0.05%
- 手数料の安いネット証券で簡単に始められる
格付けAAAが7割以上で構成されている
AGGの中身なんですが、8,000本以上の優良債券で構成されています。
その8,000本の債券がいったいどんな内容なのかが大事なんですが、主に政府系の債券が多いです。
債券というのは先ほど解説しました通り、投資家にとっては発行体が潰れなければ「元金+利息」が返ってくるという仕組みなので、発行体が潰れないかどうかがすごく重要なわけです。
発行体が潰れないかどうかの指標として重宝しているのが株式会社ムーディーズの格付けで、格付けでAAAを獲得している発行体が、1990年から2015年の間に潰れているかどうか調べたところ、潰れた会社は0.00%という驚愕な数値をたたき出しました。
リーマンショックの時でさえ潰れないのですから、AAAの格付けをもらっている優良債券が7割以上もあるのであれば、それは安定すること間違いなしと考えます。
残りの3割についても投資適格とされるBBB~AAに配分されており、神経質になる必要はありません。
つまり、AGGというのは優良な債権を保有して、発行体の倒産に怯えることなく、年間2~3%ぐらいの債権利息をもらい続けるというそういうファンドなんです。
利息(分配金)の効果が大きい
AGGは2003年に設立されたのですが、2003年当初の市場価格は102ドルで、2020年10月末には117ドルになっています。
17年間でプラス11.4%ってことなんですが、なんか大して増えてないじゃないかって声が聞こえてきそうです。
米国の株式500個を詰め合わせたS&P500と比較すると、より一層大したこと無いと感じると思います。
このAGGの魅力は債券なので利息がしっかりもらえることです。
利息なしの収益は17年間で+10%程度かもしれませんが、利息込みの収益を見てみると右肩上がりです。
設立された2003年を基準に1万ドルを投資していた場合、2020年には1万9203ドルになってます。
17年間でプラス92%増えており、もうほとんど倍近い水準なんです。
安定感が抜群である(暴落しにくい)
利息も大変魅力的なんですがAGGの特筆すべき魅力は安定感なんです。
これは格付けAAAが7割以上で構成されていることも関係しているのですが、そもそも債券っていうのは株式よりはリスクが少ない、つまり値動きが小さいです。
例えば株式の場合はリーマンショックのような暴落をくらうと、100万投資したものがいきなり50万円になったりします。
精神的にもかなり苦しいんですが、一方でこのAGGというのは、リーマンショックの時でさえ、少ししか下落しなかったんです。
他の投資対象と比較するとわかりやすいのですが、下図赤枠のようにリーマンショックで株価が大暴落した時も、債券はとても安定した推移でした。
ちょっとやそっとのことでは動じず、非常に底堅い値動きをしてくれるっていうそういう安心のカードなんです。
価格推移は安定していて、配当金はしっかりもらえる。株だけでは不安な局面も債券を保有していればリスク分散ができますし、高配当投資でセミリタイアを狙っている人には持ってこいの銘柄かと思います。
これだけ分散投資してるのに経費率は0.05%
約8000もの銘柄に投資しているにも関わらず、経費率は0.05%と驚愕の低さを誇っているのもAGGのすごいところです。
経費率いうのは、いわゆる運用手数料みたいなもので、ボッタクリファンドの経費率は1〜2%とかあったりします。
年1000万円投資しても、わずか5,000円です。
ぼったくりファンドのように1%の経費率なら1,000万円預けて、10万円が経費として持ってかれてしまうのです。
このAGGをポートフォリオに組み込んでおくことで、売買に関わるコストを最小化できてしまうのが、とても大きなメリットです。
なぜ経費率を低くできるのか?
この経費率の低さを可能にしているのが、ETF純資産約810億ドル(約8.5兆円)という巨額の資金力です。
リバランス(銘柄選定や配分調整)を行ったり、事務手続きを行ったりする手間は変わりませんので、資金が集まった分だけ経費率も下がります。
1兆円あって経費率が0.05%なら5億円を経費として回せるんですよ。経費として余裕ですね。
10億円程度の規模のインデックスなら、1%でも1千万円しか経費に回せません。
このように資金が集まれば集まる程、個人からの経費の徴収が少なくなることがわかると思います。
資金が集まるというのは、それだけ信頼されていることでもあり、また少ない経費率を可能にします。
市場価格や分配金が上がっていくのに、経費率は年々下がるのですから、投資家にはメリットしかありません。
手数料の安いネット証券で簡単に始められる
投資の王道の一つである「無駄なコストは徹底的に省くこと」につながるのですが、AGGへの投資はネット証券を通じて簡単に始めることができます。
銀行や証券会社の窓口で買うのだけはやめて下さい。
手数料が1%ではきかない可能性が高いです。下手したら3%以上搾取されるものもあります。くれぐれもご注意ください。
ちなみに、AGGでの投資を始めるのにおすすめな証券会社はSBI証券です。
証券会社はネット証券の最大手であるSBI証券か楽天証券のどちらかを推奨しているのですが、海外ETFの購入についてはSBI証券をおすすめしています。
ジュニアNISAでも海外ETFが対応していること、連携しているSBIネット銀行を使えばドルに交換する費用が安く済む等、海外ETFに関してのメリットが多いからです。
スマートフォンと運転免許証もしくはマイナンバーカードがあればスマホで本人確認が行え、スムーズです。スマホが無い場合でも少し時間はかかりますが郵便対応で開設可能です。
口座の詳しい開設手順は以下で解説しています。
SBI証券の口座開設の流れを徹底解説!必要書類は?特定口座・一般口座、源泉あり・なしの違いは?
以上、まとめると優良債券への分散投資ができて、値動きが安定し配当をしっかりもらえる、かつ経費率が0.05%と破壊的な安さなので、正直AGGを投資の軸におかない理由はないくらいです。
あなたが投資初心者なのであれば、AGGから手を出すのが、将来の自分を守ることになります。
AGGのデメリット
これまでAGGの魅力・メリットをお伝えしてきましたが、デメリットについても触れておきます。
これだけメリットの多いAGGもやはり投資なのでデメリットはあります。
最初の4点はAGGに限らず債券に投資する時に確認することでもあるので、他の債券・債券ETFをご検討中の方も参考にいただければ幸いです。
- 倒産リスク
- 価格変動リスク
- 為替リスク
- 分配金をもらったら確定申告の必要がある
- 他の債券ETFより配当が少ない
倒産リスク
債券に限らず株式投資でも同様ですが、会社が倒産しては投資額がパーになります。
AGGの場合は格付けの高い債券に7,000本分散投資してるので倒産リスクはほとんどないわけですが、頭の片隅には入れておきましょう。
格付けの考え方は他の債券との比較時にとても役に立ちます。
価格変動リスク
冒頭でも触れましたが、債券は金利の影響を受けます。
そのためいくら安心と言っても元本保証ではないことは認識しておかないといけません。
ちなみに金利が1%上がると、約5%程下落します。1%も金利が一気に上がるようなことは無いのですが、金利の動向は株・債券に影響をあたえますのでチェックするくせをつけれるとより適切な判断ができるようになります。
為替リスク
デメリットの中では、これが一番大きいリスクです。
日本に住んでいる限り、日本円を使って生活していくと思うので、このリスクからは逃れられないのですが、
例えば1ドル110円が1ドル80円とかの円高になると、AGGの価格も円建てだったらその分だけ下落することになります。
もちろんその逆で円安になれば有利にはなります。
なので、AGGは良くも悪くも市場価格の変動が少ないので、1ドル80円と言わないまでも100円付近の円高の時にAGGを購入していくのが一つ手法として考えられます。
くれぐれも現金預金よりも債券ETFの方が安泰だー!って言って配当金目当てに全額ベットするような真似はしないでください。
分配金をもらったら確定申告の必要がある
投資を行い利益が出ると、出た利益の約20%の金額が税金として持っていかれます。
これはNISA口座での投資なら免除されますし、国内の株であれば「特定口座・源泉徴収あり」を選択して口座開設を行えば、証券会社が納税を代わりに行ってくれて、私たちの手間はありません。
ただ、AGG投資は国内の証券市場での売買ではなく、アメリカの証券市場でETFを買うことになるため、アメリカでの税金がかかってしまいます。
具体的には、出た利益に対し、アメリカで約10%、日本で約20%の税金がもっていかれることになります。
なので100万円の利益が出ても、手元には約70万円程しか残らないことになります。
ただし、これでは2重課税となってしまうので、アメリカでかかった税金10%分は返してもらうことができます。
これに必要な作業が確定申告です。
やることはそんなに手間ではないのですが、忘れてしまうと損することになるので、やることが一つ増えることがデメリットになります。
私はこれだけのメリットを簡単に受け取れるわけではないと言い聞かせ、確定申告を行う選択をしました。
他の債券ETFより配当が少ない
債券ETFはAGGだけでなく、様々な種類があります。
国で分散されたり、業種で分散させたり、格付けで分散させたり等です。
特に格付けについては、AGGのように格付けが高い(安定性が高い)と、どうしても他の債券ETFよりも配当が少なくなる傾向にあります。
リスクが少ない分、リターンも少ないわけです。
ポートフォリオ安定・配当金獲得がメインですし、十分な配当率であるとも思いますが人によっては物足りなさを感じる人もいるでしょう。
そういった方には少し不向きかもしれませんので、LQDという債券ETFが選択肢の一つとしてあります。
AGGをローリスク・ローリターンとするなら、
LQDはミドルリスク・ミドルリターンな債券ETFです。
興味がある方は調べてみて下さい。
AGG投資が向いている人
以上のメリット・デメリットを踏まえると、AGG投資は以下の方に向いていると考えられます。
- 暴落時にも安定したポートフォリオを組みたい
- 毎月安定した配当金が欲しい
- 高配当投資でゆくゆくはセミリタイアしたい
- 銘柄調査など面倒なことが嫌い
倒産リスクが少ない8000社に気軽に投資できるので、安定志向の方、銘柄調査が面倒な方にはとても良いETFです。
また冒頭でもお伝えした通りAGGの魅力というのは、価格推移は安定していて、配当金はしっかりもらえることです。
株だけでは不安な局面も債券を保有していればリスク分散ができますし、高配当投資でセミリタイアを狙っている人には持ってこいの銘柄かと思います。
AGG投資の始め方(3ステップ)
これだけメリットの多いAGG投資のはじめ方について、基本的には以下の3ステップです。
- SBI証券で口座を開設する
- 証券口座に入金する
- ETFの買い付けを行う
上記以外の必要な知識として、以下もあります。
- 日本円かドル、どちらで買うか決める
- 分配金を受け取った後の手続き・対応
STEP1 SBI証券で口座開設する
証券会社はSBI証券か楽天証券のどちらかを推奨しているのですが、海外ETFの購入についてはSBI証券をおすすめしています。
ジュニアNISAでも海外ETFが対応していること、またSBIネット銀行を使えばドルに交換する費用が安く済む等、メリットが多いからです。
スマートフォンと運転免許証もしくはマイナンバーカードがあればスマホで本人確認が行え、スムーズです。スマホが無い場合でも少し時間はかかりますが郵便対応で開設可能です。
口座の詳しい開設手順は以下で解説しています。
SBI証券の口座開設の流れを徹底解説!必要書類は?特定口座・一般口座、源泉あり・なしの違いは?
STEP2・STEP3 入金、ETFの買い付けを行う
口座開設を行ったら、入金して、購入ボタンをクリックすれば終わってしまいます。
細かな注意点・アドバイスとして、日本円かドル、どちらで買うか決めたり、分配金を受け取った後の手続き・対応なんかについても補足がありますので、これらの詳しい手順については以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
本記事では米国債券ETFであるAGGについて解説しました。下記の通りAGGはメリットの多いETFです。
- 格付けAAAが7割以上で構成されている
- 利息(分配金)の効果が大きい
- 安定感が抜群である(暴落しにくい)
- これだけ分散投資してるのに経費率は0.05%
- 手数料の安いネット証券で簡単に始められる
暴落時にも安定したポートフォリオを組みたい
毎月安定した配当金が欲しい
高配当投資でゆくゆくはセミリタイアしたい
銘柄調査など面倒なことが嫌い
という方におすすめできるETFを紹介しました。
将来のためにできることを考え、少しでも早く行動することが未来の自分、未来の家族を守ることになります。
人間は今必要でないものを後回しにしてしまう生き物です。
お得なこと・良いなと思ったことをすぐに実践できれば人生の自由度が高まります。損しない・苦労しない人生に近づきます。
すぐ行動できる人が人生の勝ち組です。